木造在来工法でメーターモジュールの家を

2011-10-22

日本では尺貫法に則って建築物の寸法が計られてきた。例えば廊下は、壁や柱の芯から芯までの長さが三尺(約九一センチ)になるように作られている。畳一畳の大きさは幅三尺(半間・約九一センチ)、長さは六尺二間・約一八二センチ)だから、八畳の部屋は二間(三六四センチ)四方となり、広さは四坪(言丁二五平方メートル)となる。新聞や公の文書では、尺や坪で表示してはならないことになっているが、通常の会話で「建築費はいくら?」という場合、聞く方も聞かれる方も一坪当たりの単価を想定しているのが普通だ。一平方メートルあたりで八万円と言われてピンと来なくても、坪六〇万円と言われれば、誰でもすぐに理解できる。住宅メーカーの広告でも「三・三平方メートル○○万円」などと、一坪の値段が表示されている。一部の住宅メーカーを除いて、今も尺貫法で家を建てているのが現状だ。ところが尺を基準として建てられた家は、体格がよくなった現代人には合わなくなった。例えば廊下の場合、芯と芯との間の幅が九一センチでも、壁の厚みを引くと実際はもっと狭い。和室の鴨居の高さは、五尺八寸が基準だから、背の高い人はかがまないと出入りできない。そこで、住宅の寸法の基本単位を、尺貫法ではなく1メートルを基準にしようというのが「メーターモジュール」の考え方である。廊下の幅を一メートルにすれば、すれ違うとき楽だし、将来、車椅子も使える。障子や襖の高さもニメートルだと、今の人の身長にふさわしい。しかし、メーターモジュールで施工するのは容易ではない。一例を挙げると、一般のアルミサッシは尺貫法で作られている。六尺幅の窓枠に合わせてあるから、窓を幅二メートルにしたくても、そんな規格のサッシはないと言われる。土台や柱なども尺貫法で製材されているから、メーターモジュールで建築するのは難しい。木造軸組工法は優れた工法だが、計測法については大いに改善の余地がある。早急に規格を改め、メーターモジュールで住宅が建つようにしたいものだ。そのためには建築業界全体の意識変革と協力が必要だろう。