第二次世界大戦後の資本主義社会において、先進諸国は住宅システムの体系を編成し、人びとの住まいの確保を助けようとした。経済の順調な成長のもとで、福祉国家は住宅政策を拡大し、住宅問題の緩和に大きな役割を果たした。しかし、一九七一年のドルショック、七三年の第一次石油危機、同年のブレトンウッズ体制破綻によって世界経済の戦後秩序は崩壊し、成長率は落ち込んだ。福祉国家に対する支持は揺らぎ、経済成長の停滞、財政事情の悪化、政府の非効率さに批判が集中した。
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二〇世紀の末から二一世紀初頭にかけて、住宅システムは市場メカニズムを用い、住宅所有を促進する方向に傾いた。政府セクターの住宅供給は減少し、持家とそのファイナンスの市場経済が急速に成長した。二一世紀の先進諸国の大半において、持家は住宅所有形態の中心を占める。多数の国の持家率が上昇する現象は、住宅所有がグローバルに普及する傾向を表している。資本主義諸国の住宅システムの道程は、その変容の方向性の類似性を示唆する。しかし同時に、国ごとの住宅システムはそれぞれの特徴を有し、けっして同質ではない。住宅所有形態のパターン、住宅とそのファイナンスの市場構造、住宅政策の内容などは国によって違いをみせる。資本主義経済は住まいの商品化と私有を促進し、その市場を不断に押し広げる普遍的な力を生む。しかし、この力をどのように受け止め、どのような住宅システムをつくるのか、という問題に関わる社会の選択には差異がある。