妓高の品としてセリにかける

2010-11-18

無論、その知恵は兄弟の経営上の秘密であるが、勉強の成果は漁獲量と水揚げ金額で表れるので、私らにもすぐ分かる。そして、仲間の船と一緒に、航海安全と大漁祈願をしながら、兄弟で丹後のズワイガニ資源をいつまでも大切に使っていこうと言う姿勢はすばらしい。カニの漁期が終わると、Sさんの奥さん、Kさんもほっと肩の荷が降りる。「海運丸」が沖から帰ってくる時を見計らって、その度に水揚げ場でカニの品定めをして品質ごとに分けて並べ、兄弟船の獲ったカニが他船と比べて見劣しないように妓高の品としてセリにかける。セリ人の性格、販路については桂子さんが知り尽くしているので、兄弟の出る幕がないほど。底引き船の奥さんは何処もこうして夫を支え、沖に主人が出ている間は、家で縮緬の織機に向う奥さんも多い。海の男が「やりがいのある仕事」と言えるのは、やはり何よりもまず奥さんの支えがあってのこと。ふと我が身を振り返る。今日は海が凪でいる。弟のAさんが舵を握って沖に出た。