水ガニ、水ガレイ、水カマス、水ダコと言った具合に「水」を頭につけて、その身が水っぽいことを強調し、魚であれば干してから食べる。水ガニの場合の「水」もやはり甲羅の中の身が水っぽいので、鍋物とするか蒸し鍋を使って食べる。ところで水ガニは八月から十月にかけて脱皮したカニで、漁が始まる十一月はまだ十分に殼も硬くなっていないし、中の身も水分が多い。雄ガニの漁期が終わる三月末で、やっと水ガニ扱いされなくなるが、それでもまだズワイガニの本物の味ではない。脱皮後ほぼ一年経つと、身の水分もなくなるようだ。雄ガニ一尾が数万円もする魚市場のセリでは、この一年たったカニでも最高の「上ガニ(じょうがに)」としての値が付かない。脱皮後の歳月が経つにつれて、身の質が少しずつよくなるので、水ガニをさらに銘柄分けして「上、中、下」、それぞれの低が大きく違う。