日本は温帯モンスーン気候に位置しており、高温多湿への対応が家づくりの重要な条件になっています。そのため、日本の民家は外に「開いた」構造をとり、「風通しをよくする」様々な工夫を積極的に取り入れてきました。昔の家は隙間が多く、自然に換気ができていたにもかかわらず、換気や通風にいっそうの配慮をしていたのです。たとえば、飛騨白川郷の合掌造りは、2階から上の部分が蚕のための部屋になっています。ここに風を通すため、合掌造りでは常時吹く風にあわせ、地域ごとに決まった方向に開口部が設けられていました。かつての巫只でも、夏は巫只湾から南南東の風が吹き込むので、東西に長い建物が多く見られました。地方によっては、風の方向を変え、あるいは強風を和らげるため、大屋根の上の越屋根や、建物の周囲の生垣、防風林などの工夫が見られます。