本場の沖縄料理を沖縄旅行で堪能する

2011-07-30

那覇や首里では「たいくつだから、ヒラヤチーでもつくろうね」という感じで優雅なものだが、離島の場合はもっと切実だ。大きな台風がひとたび襲来すれば、何日も沖縄本島から食料を輸送する船や飛行機が運航できなくなる。冷蔵庫など保存設備がなかった時代は、メリケン粉やそうめんが残り少なくなると本当に心細かった、と聞いたことがある。今でも、天候次第では孤絶してしまう島チャビ(孤島苦)という現実は、クリアーされたわけではない。さて、戦中、戦後のどさくさというか、アメリカ軍からの食料配給が人々の命運を決めていた時代には、メリケン粉だけが主食として配給された時期もあった。当時はもちろん卵などなく、粉と水だけのヒラヤチーを朝、晩どころか、弁当にまでして、イヤというほど食べたらしい。そんな貧しかった時代への報復だったのか、やがて食料事情がよくなるにつれヒラヤチーは豪華に変容する。ツナ缶にベーコン、ポークランチョンミートにキャベツのざく切りなど、好みであれやこれと加えるのだ。具が増えた分、厚みも増し、なんだかすっかり内地のお好み焼きのようになってしまった。もちろん、あくまでヒラヤチーは薄さが身上と、昔風をつらぬく人もいるけれど。ところで、韓国にも小麦粉を溶いて焼いたチヂミという食べ物がある。ソウルの街角で屋台のチヂミを初めてみたとき、その薄さといい、人さし指ほどの長さに切ったニラがすけてみえるシンプルさといい、思わず「あっ、ヒラヤチー」とつぶやいてしまった。ウチナーンチュなら皆、足をとめることだろう。以上のような、本場の沖縄料理を沖縄旅行の際には思いっきり食べてもらいたい。