実は創業当初のセリーヌは子供靴専門店だった。一九四五年、セリーヌ−ヴィピアナが夫と共同でパリに店を開き、デザインを担当した妻の名がそのまま店名となった、というのがブランド名の由来である。自分の子供のために靴を作り始めたというマダム−セリーヌは、品質に徹底してこだわり、靴の安全性は整形外科の観点から考慮され、素材は最高級品を使用し、製造はイタリアやフランスの一流職人に依頼された。こうした品質の高さと優れたデザインによってパリでたちまち評判を得る。
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やがて大人向け商品にも進出、一九五九年、馬具のくつわ型金具装飾がついた婦人用モカシン「インカ」が大ヒット商品となって、セリーヌの知名度は一気に高まった。このモカシンは、B.C.B.G.の解説本の中で、“日中の装いに不可欠な靴”と紹介された靴の原型だった。この成功を受けて、さまざまな皮革製品全般を扱う店へと発展する。