先生のキツイ一言

2011-09-01

私をハッと目覚めさせてくれたのが、敬愛していた「セツ・モードセミナー」の校長先生で、大正六年生まれにもかかわらずスリムなジーンズをさっそうとはいて、おしゃれに手を抜かなかった先生の一言でした。先生は一九九九年六月に事故で突然お亡くなりになりましたが、自分を甘やかしている女性は美しくないというお考えの方です。ある日、外出先で先生に偶然お目にかかってご挨拶しました。すると開口一番、「どうしたの?その太り方は?」のキツーイ一言。昔の仲間に会って、自分の体型にあせりを感じ始めた矢先でもありました。容赦のない先生の叱責でようやく目が覚めたのです。自分を客観視し、はっきり自分の体型を視覚的に捉えることができたのでした。私は「内面さえ幸せならそれでいいじゃないの」と勝手に思い込んで、夫や周囲の人のことを考えるゆとりがもてなかったのです。小さいころから「人間は内面が大事よ」と言われて育ったことも影響しているのかもしれません。小学生で一七〇センチもあったノッポコンプレックスも、「いいのよ、背が高くたって、心が素直な子は可愛いのよ」と言われて、ぬくぬくと育ってきましたから。「太ってたっていいじゃない。子どもがいて、夫がいて、私は幸せなんだから」と、良いお母さんでさえいれば外見なんて関係ナイという思い上がり。これは外側から見たら大変美しくない状態です。一途に思い込んで突き進む素直な面もあるけれど、そのわりに気が強くて自意識過剰なところもある私です。こうした心理的な葛藤と向き合っていくうちに、自分の身体を見てようやく、「まあ、何でここまで甘やかしていたのかしら」と驚いたわけです。知らずにため込んでいた不満を抑え、食べることに逃げ込んでいた日々にきっぱりピリオドを打つ勇気が、ようやくもてたのです。