自分の仕事を愛していますか?

2012-01-12

内発的動機とは、ひらたくいえば仕事の意義、楽しさ、やりがいなどのことです。それを日々のコミュニケーションや自分の仕事ぶりによって、部下に伝えるのがリーダーの使命の一つです。私たちの職場を見わたしてみると、同じ年月を仕事人として送りながらも、仕事の哲学などとは縁のなさそうな人が少なくありません。生きがいや働きがいについて部下から尋ねられると、口ごもってしまう。酒の席で「仕事とは?」などと水を向けられても、肩をすくめるだけでは、ちょっとさびしいものがあります。私か勤めた職場に「倉庫の親分」といわれる人がいました。転職情報に関する詳しい内容はここでわかりやすく紹介されてます。ビルの地下にある出版部の倉庫を管理していた人で、この道何十年のベテランでした。親分とよばれるわりには、もの静かで控えめな性格でしたが、本の扱いになると人格が一変したものです。昼休みなどに編集者が訪れて本をさわり、ちょっとでも乱雑な扱いをしようものなら大声で怒鳴りつけられました。これから出荷されて、人さまの手にとっていただく大事な本なのに、心ない扱いはするな、というわけです。心ない扱いといっても、棚に戻すときにぽんと投げ置いたり、はずみでオビが少し曲がる程度のことなのですが、そうした態度が彼には許せなかったのです。「自分がつくった本なら、もっと愛情を込めて大事にしなけりや駄目だ」私自身も、こんなふうに説教されたことが何度かありました。倉庫は、商品としての本が出荷され、売れなければ再び戻ってきて保管される場所です。汚れがついたものは、ヤスリや消しゴムなどをつかって一冊一冊ていねいに化粧し、カバーを取り替え、また送りだします。本をわが子のように愛している親分は、毎日手入れをし、保管状態に注意をはらいながら、祈るような気持ちで送りだすのだといいます。話を聞いていると、一球人魂ならぬ一冊入魂の熱い思いが伝わってきて、厳粛な気持ちにさそわれました。自分が扱う商品を愛するとは、こういうことをいうのかと。