ユニクロは国内外を問わないM&Aの目的を、「事業構築の時間の節約」「世界トップクラスの経営者の獲得」「FRグループに足りない機能、強化すべき機能の獲得」「海外事業のプラットフォーム化」などとしているが、短期的にはこのM&A戦略が、1兆円構想実現の決め手になると見られる。もっとも、質的な面はともかく、今のところ同社が手がけてきたM&Aは多くが小ぶりな案件で、大きくてもせいぜい中型クラスに留まる。実際、今まで投下した資金も、累計でまだ約500億円にすぎない。逆に言えば、その。余資々はまだたんまりあるということだ。ところで前出の松下(FR取締役)は、06年夏の某日に行われた初のマスコミ記者懇親会の席上、オフレコペースながらこう発言したという。「これからのM&Aは、規模を優先していくことになると思う。そろそろ1000億円級のものも手がけていきたい。たとえば50億円規模と1000億円規模では、売上は20倍違うがデューデリジェンス(資産の適正評価手続き)などの手間暇はそれほど変わらない」ならば大型案件を手がけた方が効率的だし、より早く確実に1兆円達成が実現できるというわけだ。アッと驚くような案件が、06年〜07年早々にも発表されそうな気配である。